家を中心に過ごしていた赤ちゃん期と違い、
多くのお友達と過ごす幼稚園や保育園での生活、
お子さんの体調には特に気を使われているのではないでしょうか。
手洗いやうがい、食事や睡眠など十分に気をつけていても、
園で感染症が流行ると、あっという間に広がってしまいます。
1年を通して様々な感染症がありますが、冬の時期気になるのがノロウイルス。
熱が出ても元気に過ごすことがあるお子さんも、
嘔吐や下痢を繰り返しぐったりした様子だと、とても不安ですよね。
お子さんがノロウイルスに感染した場合に気をつけたいポイントをまとめました!
お子さんが少しでも快適に過ごし、ご家族の不安が和らぎますように。
ノロウイルスに感染、子どもの場合症状は?
私自身はノロウイルスへの感染経験がなく、
自分が子どももの頃を振り返っても、こんなに流行していたかな?
普通の胃腸炎と何が違うの?と疑問に思った経験があります。
まずはノロウイルスについて、確認してみましょう。
- ノロウイルスとは?
牡蠣などの二枚貝の過熱不足が原因で起こる食中毒ですが、
食べていない人にまで広がるウイルス性の感染性胃腸炎です。
昔からあるウイルスだそうですが、以前よりもウイルスの毒性が強くなっていて、
日常の環境で死滅しずらい上に、空気・飛沫・粉塵・経口など
様々な経路で感染するため、近年は流行が注目されるようになったそうです。
例年11月ごろから感染者が急激に増加しはじめ、2月ごろまで流行します。
- ノロウイルスの症状は?
感染から24~48時間で発症し、
初期症状は、38度以下の発熱や腹痛が現れることが多いようです。
次第に激しい嘔吐(ピークは半日~1日)や、
下痢(2~3日)の症状が出て、回復に向かいます。
ウイルスは感染者の吐しゃ物や便に多く含まれ、約1週間排出されます。
- ノロウイルスに効く薬や予防接種はないの?
今のところノロウイルスに対して有効なワクチンや特効薬がない為、
感染しても発熱、腹痛、下痢、嘔吐といった症状を和らげるための
対処療法が中心となります。
つらそうにしている姿を見ると、吐き気止めや下痢止めを飲ませてあげたいと思いますが、
嘔吐や下痢は身体がウイルスと闘いながら、体外に排出しているため、
嘔吐や下痢が止まってしまうと、ウイルスが体内にとどまり続け、
回復の妨げになる場合もあります。
自己判断での市販薬の服用は避け、かかりつけの小児科を受診しましょう。
- 吐しゃ物や便(オムツや使用後のトイレ)の処理には細心の注意を!
ノロウイルスは毒性が強く、水拭きやアルコール消毒では除去することが難しいウイルスです。
吐しゃ物のついた床や使用後の便座は、次亜塩素酸ナトリウムを使用して
消毒することができます。
次亜塩素酸ナトリウムとは、台所用のハイターや塩素系漂白剤のことで、
裏面の成分表示に次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸塩と記載があります。
希釈するタイプは、500mlの水に対してキャップ2杯の原液で消毒液ができます。
泡が出るスプレータイプのハイターはそのまま使用できます。
吐しゃ物の場合は広がらないように汚物を集めて取り除いた後、
新しいペーパータオルを敷き消毒液をたっぷり含ませます。
10分ほどおいて消毒し、ペーパータオルで水拭きの後、乾拭きします。
必ず手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後はしっかり手を洗い、
ペーパータオルで手をふきましょう。
汚物や、使用したペーパータオル、マスクなどは袋に密封し、
ゴミ袋に捨てるなどウイルスを広げない工夫をしましょう。
突然の嘔吐に対応ができる様に、
次亜塩素酸ナトリウムを使用する方法を紹介しましたが、
小さいお子さんのいる家庭ですとハイターの使用にもかなり気を使いますよね?
ノロウイルスに有効で、小さいお子さんにも安心の成分で作られた
消毒液が色々販売されています。
ドラッグストアや通販で簡単に購入できますので、この機会に購入されてもいいですね。
突然の嘔吐や下痢に驚いてしまいますが、
ご家族が2次感染をしないようしっかり処理して、
お子さんの回復を待ちましょう。
ノロウイルスに感染、子どもの脱水症状に注意!
激しい嘔吐や下痢が続き、十分な食事や水分が取れていないと、
脱水症状が心配になりますよね。
吐き気がある場合は、どのようにして水分をとればよいのでしょうか?
水分補給の仕方や、ポイントをまとめてみました!
- 水分補給のタイミングや注意点は?
吐いた後も吐き気が続くようであれば、
まずは胃を休ませて様子を見ましょう(無理に水分を取らなくて良い)。
突然の嘔吐に驚き、慌てて水分補給をすると吐き気が増す場合があり、
再度嘔吐してしまう場合があります。
そんな時は、吐いた後、30分~1時間は何も飲ませずに胃を休ませて様子を見ましょう。
最初の水分補給はおちょこやスポイトで一口から
様子をみて、落ち着いているようであったら、まずは一口だけ水分を取り、様子をみます。
5分ほどして吐き気がなければ、水分を取りましょう。
水分は一度にたくさんよりも、少しずつこまめに
嘔吐を繰り返す場合は、胃を休ませながら、飲めそうなときに少しずつ水分を補給します。
嘔吐の症状がなく、下痢が続く時は早期から十分に水分補給をしましょう。
お腹が緩くなるからと、水分を控えることがない様に注意しましょう。
- 何を飲ませればいいの?
経口補水液や塩分の入ったスポーツドリンクを飲ませましょう。
嘔吐や下痢によって大量の体液ともに塩分が失われているため、
水分と塩分の両方を補うことが重要です。
水や麦茶などの水分補給は、体内の塩分を薄めてしまうため逆効果になってしまいます。
体内の塩分が少なくなると、痙攣をおこすこともあるので気を付けましょう。
- 水分が足りてないかも?脱水症状の見極め方
下記のような状態の時は、早めに小児科を受診しましょう。
泣いているのに涙が出ない
おしっこの量や回数がいつもよりも少ない、尿の色が濃い
口や唇が渇いている
ぐったりしている
- 食事について
食欲がない場合は無理せず、水分補給を続ければよいのですが、
吐き気が収まってくると、食欲が少しずつ戻ってきます。
食べない期間が長くなると、小腸の動きがさらに悪くなり、
下痢が長引く場合もあるので、食事をとりましょう。
おかゆややわらかく煮込んだうどん、野菜スープなど消化に良いものから始め、
食べられる様であれば、通常の食事に戻しても良いそうです。
ただし、油もの、繊維質の多いもの、糖分の多いもの、
かんきつ類は胃や腸への負担が大きいため避けましょう。
吐き気が続いている場合は、タイミングや量が難しいですが、
少しずつでもこまめに水分・塩分を取って、
脱水症状にならない様に気をつけたいですね!
ノロウイルスに感染、子どもをお風呂に入れてもいいの?
熱が高い時は、お風呂を控えるように言われることも多いともいますが、
嘔吐や下痢の時、入浴はできるのでしょうか?
身体が汚れている場合もあるので、できることならお風呂に入れてあげたいのですが、
感染力の強いノロウイルス、他の家族への2次感染が心配ですよね。
入浴する場合の注意点を確認していきましょう!
- お風呂は入ってもいいの?
体力がある場合は、基本的に入浴は問題ないそうです。
ただし、熱がある場合は体調と相談しながら無理がないようにしましょう。
また、入浴でも水分が失われますので、引き続き脱水症状に注意が必要です。
- 家族への2次感染を防ぐために気をつけることは?
感染者の入浴は一番最後にし、タオルやスポンジなどの共用は避けましょう。
感染力が強く、空気や飛沫、経口といった経路で感染しますので、十分に注意しましょう。
・体(特にお尻)をよく洗ってから湯船につかる
下痢を繰り返している場合お尻にウイルスがいるので、
きれいに洗ってから湯船につかりましょう。
・入浴後は入念に消毒を
ノロウイルスは85度以上の熱でないと死滅しない為、お風呂でも生息し続けます。
先ほど紹介した消毒液を使用するか、沸かした熱湯を使うといいでしょう。
浴槽や床、蛇口、排水溝など入浴後はしっかりと消毒をしましょう。
また、入浴を介助した場合は、手洗いを忘れずに!
下痢を繰り返すと、便や頻繁にふき取る刺激でお尻がかぶれやすくなります。
入浴が難しい場合でも、お尻だけシャワーで洗ったり、
座浴やお湯で絞ったタオルで清潔にしてあげるといいですね。
かぶれがひどい場合は、小児科に受診するといいでしょう。
さいごに
ノロウイルスは感染力が強いため、どんなに気をつけていてもいつどこでウイルスに感染するかわかりません。
小さなお子さんの感染だととても不安になりますが、
嘔吐や下痢を繰り返してウイルスを排出しながら回復していく病気です。
お子さんの脱水症状とご家族の2次感染に注意しながら、看病を続けてくださいね!
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