きょうの健康(12月3日) 高血圧が血管や臓器を傷つける仕組み

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病気
きょうの健康は放送開始から50年を迎える長寿番組で、わかりやすく親しみやすい健康情報番組です。 今、日本では高血圧の方は4300万人とも言われていますが、これから高齢化社会が続き、さらに高血圧の方の人数は増えるといわれています。 高血圧の方は多くいますし、ありふれた病気と感じますが、血管系の病気を引き起こす原因ともなり、適切な診断治療を受けなくてはいけない病気です。 きょうの健康(12月3日)で放送される、なぜ高血圧が血管や臓器を傷つけるのかという内容について調べてみましたのでご紹介します。

高血圧はどんな病気?

高血圧は、心臓から送り出された血液が血管内で示す圧力、つまり血圧が高い状態がつづく病気です。 収縮期血圧といわれる最大血圧が140mmHg、拡張期血圧といわれる最小血圧が90mmHg、どちらかがこの数字を上回っている状態で高血圧と診断されます。 高血圧であるかといって、特徴のある症状が現れるわけではなく、自覚症状もほとんどないのですが、長年にわたる健康調査や生命保険の加入者調査などによると、高血圧である人の心臓血管系、循環器系の病気になる確率と、さらには死亡率が高いことがわかってきました。 そして薬で血圧を下げる降圧治療をすると、心臓血管系循環器系の病気になる確率や死亡率が下がる事もわかっています。 しかし、高血圧の原因はわからないものが多いのです。 引き起こされている原因がわかっている高血圧(二次性高血圧と呼びます)の場合は、その原因を治療したり、原因を取り除けば治療できます。 しかし、多くの原因のわからない高血圧の場合は一生のお付き合いとなる病気になる事が多いです。

高血圧が血管や臓器を傷つける仕組み

高い血圧で血管を血液が流れると、風船を膨らますように、血管も膨らんできてしまいます。 そして風船がある程度まで膨らむと一気に破裂するのと同じように、血管もある程度まで膨らむと一気に破裂したり、裂けたりしまうのです。 これが大動脈で起こることを解離性大動脈瘤、大動脈破裂と呼ばれます。これは命にかかわる病気です。
また、高い血圧で血管が傷むと血管の周囲の組織が次第に硬くなります。そうすると血管そのもの、つまり血液が流れる部分が細くなり、血液が十分に流れなくなってしまいます。 このような状態は下半身で起こりやすく、血液が行き届かなくなれば、足が痛くなったり、ひどくなると壊死してしまい、切断しなくてはいけなくなってしまう事もあります。 高血圧は、心臓や脳、腎臓などの臓器も傷つけます。 高い圧力で血液を送り出すので、心臓の筋肉は分厚くなり、そのことで心臓自体が傷み、心臓の動きが悪くなります。 また、心臓の間を通る血管も心臓の筋肉が分厚くなる事で細くなってしまい、血流が不十分になることで、心臓を動かす血液が不足する虚血がおこったり、さらに血流が完全になくなってしまうと、その周りの心筋細胞が壊死ししてしまいます。 急な血圧の上昇では脳が腫れてしまうこともあります。 高い血圧にさらされて、脳のもろくなった血管から出血することもあります。 細く、かたくなった動脈の血管で血が詰まったり、ほかの血管でできてしまった血の塊が脳の血管で詰まってしまう事もあります。 さらに、腎臓の血管でも同様に高い血圧で血液が流れると、血液をろ過して尿を作る糸球体の血管もかたくなり、ろ過機能が低下します。 ろ過機能が低下すると、なんとか大量の血液をろ過しようと、さらに身体は血液を押し出す力を高めようとするので血圧は高くなります。 高血圧と腎臓障害は悪循環でどんどん進行してしまいます

高血圧の予防と治療

高血圧を予防するには、ライフスタイルを改善する事が第一となります。 塩分の取りすぎ、肥満、禁煙、運動不足の解消、お酒の飲みすぎはやめる、ストレスの軽減など、血圧を高めてしまう危険因子を取り除く事が高血圧の予防につながります。
もし、高血圧と診断されても、軽度の場合はライフスタイルの改善で症状が軽くなる事もありますし、降圧薬の薬物治療をされている方もライフスタイルを改善する事が大事です

さいごに

高血圧とはどういった病気なのか、また高血圧から引き起こされる血管や臓器の病気がどうして引き起こされるのかをご紹介しました。 自覚症状もないうえ、聞きなれた病気ですので、ついつい簡単に考えがちですが、高血圧により血管が硬くなって臓器中で血液のつまりがおこって、いろいろな病気を引き起こしてしまう、本当に怖い病気ですね。 軽く考えず、高血圧と診断されていなくてもライフスタイルを改善して、もし診断がおりたら適切に治療したほうがいいですね。

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